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また、年間労働時間を、2000年1900時間、2010年1800時間と考えるとすると、労働力時間短縮率は0.5%、総労働供給は年0.7%の減少となり、単純にみれば年0.7%以上の労働生産性の上昇率が必要となる。これまでの就労体系あるいは人材確保のあり方では発展への対応は難しくなり、日本経済が適度の経済成長を続けるには慢性的な労働力不足は避けられない状況と予想されている。
北九州市の労働力人口については近年は48万人前後で推移してきているが、男性労働力は減少しており、逆に女性労働力は増加してきている(図2−2−2)。女性の高学歴化とともに今後もこの傾向は続くであろう。第1章第1節の推計によると、2010年に向かっては北九州市の生産年齢人口は減少し、高齢人口は増加していくことから、全国よりも速いぺースで労働力構造の変化が進んでいる状況もうかがえる。したがって、北九州市ではその発展に必要な労働力確保の観点からも女性や若年高齢者が働きやすい社会経済づくりが進むものと予想される。

 

図2−2−2 北九州市の労働力人口の推移

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資料:「国勢調査」(総務庁)

 

(2)女性の就労等による新たな社会形成
このような労働力人口の構造の変化に伴い、人々の就業意識は変わっていくだろう。女性の職場進出の結果、女性の年齢別にみた労働力率曲線のM字の山は高くなっている(図2−2−3)。一方、高齢者の就労意欲も国際的にみてもかなり高く、「高齢者の生活と意識に関する国際比較調査」(総務庁:1981年より5年毎調査)では、現在収入を伴う仕事をしている60歳以上の男女で今後も収入を伴う仕事をしたい者が約9割、就労継続を希望している(表2−2−1)。また、「高年齢者就業実態調査」(労働省)で不就業者の希望する就業形態をみると、60〜64歳男子では雇用労働を希望する人が62.8%を占め、その就業ニーズは高

 

 

 

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